ども!
近頃はAIの発達によって「仕事が奪われる!」と心配する人が沢山いる中で、AIには代替できない仕事である交渉。その交渉術を学ぶことは、今後のビジネスパーソンにとっては必須のスキルと言えるのではないでしょうか?
今回は、世界で最も恐れられる法律事務所のトップ弁護士であるライアン・ゴールドスティン著 交渉の武器を読んでみたので、内容をまとめてみました!
本書は、以下に該当する方にうってつけの本です。
- 交渉術を学びたい
- 日々仕事で交渉を行っているが、上手くいかない
- 仕事で交渉を行うようになったが、何を学べばいいか分からない
該当する方は、是非読んでみてくださいね!
もくじ
ライアン・ゴールドスティンって?
まずは、著者の紹介についてです。
(内容だけを知りたいよ!って人はここは飛ばして頂いても構いません)
著者であるライアンゴールドスティンさん(以下、ライアン)は、学生の頃はダートマス大学に在籍していました。在学中、日本に興味を持ち金沢にホームステイしたところ、どっぷりと日本に惚れこんでしまったようです。
その後、早稲田大学に留学し、ハーバード法科大学院をトップ5%で卒業しました。
そんな日本大好きなライアンさんですから、「交渉を用いて日本の見方になりたい」という使命のもと、日本で弁護士として働きます!
しかもしかも、その弁護士事務所は「世界で最も恐れられる弁護士チーム」が集まっているのです。
本書を執筆した理由
ライアンさんが本書を執筆した理由についてです。
- 日本人はとても勤勉で優しい。それでいて争いを好まない
- そんな日本人の優しさに漬け込む他国の交渉人が気に食わない
- だからと言って、交渉人が日本企業に優しい訳ではない
- 自分の身を守るために、争いを好まない日本人でも交渉術を学ぶ必要がある
ということです。
簡単にまとめると、「自分の身は自分で守るためにも、交渉術を学んでほしい」ってことですね。
日本人は基本的に交渉に慣れていません。
例えば、アメリカでは授業でディベートが組み込まれています。
このような教育背景があるからこそ、アメリカ人は交渉が得意なんですね。
グローバルに事業を展開するのであれば、グローバルな闘い方を学ぶ必要があります。
本書の目次
本書には「交渉プロフェッショナルの20原則」ということで、交渉においての原則20項目を網羅してあります。
で、その原則20個が目次になっているんですね。
ちなみに、目次は以下の通りです。
- 交渉のゴールは「合意」ではない
- 相手に勝つ必要はない
- 「感情」は諸刃の剣である
- まず「交渉決裂ライン」を決める
- 「交渉決裂ライン」は死守する
- 強者の「心理戦」に負けない方法
- 「点」ではなく「線」で考える
- 弱者にも必ず「パワー」がある
- 相手の「弱み」を利用する
- 「自然体」こそが最強である
- 相手により多く語らせる
- 交渉は「少数精鋭」が鉄則である
- 相手側の「交渉担当者」を動かす
- 「謝罪」は武器である
- 相手の「嘘」は徹底的に利用する
- 交渉に不可欠な「2つの戦略」
- 「最初のオファー」が勝負を決める
- 「最も悪い事実」から考える
- 「感情」は「論理」を飲み込む
- 「三方一両損」こそ最高の戦略である
どうでしょう?上記は目次だけですが、目次の中にも「え、そうなの?」という部分が多々あると思います。
以下からは、内容のほんの一部をご紹介します。
交渉のゴールは合意ではない
皆さん交渉のゴールというとどのようなイメージを持たれるでしょうか?
相手からの合意を得る、というイメージを持っている方は多いと思います。
(実際、私がそうでした…)
じゃあ、交渉の本当のゴールとは何なのか?
それは、「自分の目的を達成すること」です。
確かにそうですよね。交渉をするときというのは、自分の中で目的があるときに行います。
例えば
- 家電屋さんでTVを安く買いたい
- 自分の給料を上げてもらいたい
- 取引先から仕事を請けたい
パッと思い浮かんだだけですが…
これらの目的を達成するためには交渉が必要不可欠になります。
その時に、合意を求めるということをゴールとしてしまうと、何が目的なのかが分からなくなってしまいます。
なので、まずは具体的な目的を立てる必要があります。
上記の例を具体的な目的とした場合でいうと
- 家電屋さんでTVを5万円安く買いたい
- 自分の給料を1万円上げてもらいたい
- 取引先からプログラム開発の仕事を請けたい
かなりザックリとしちゃってますがw
まずは自分の目的を具体化することが必要なんですね。
交渉決裂ラインを決める
上では「具体的な目的を決める」ことが必要、と書きましたが、それと同時に「交渉決裂のライン」を決めることも同じくらい重要です。
というのも、自分の中で交渉決裂のラインを決めておかないと、目的達成のためにズブズブと譲歩していった挙句、結局はこちらが大損をしてしまうことがあるからです。
本書では以下のような例の場合、交渉決裂ラインをどこに置くか?という問題提起がされています。
- 短納期(1ヶ月)
- 低予算(30万円)
あなたがフリーランスエンジニアとして仕事をしているとき、上記のような内容で仕事が来たらどうでしょう?もちろん、一概には言えませんが、もしあなたがお金に困っているようであれば、この場合、「予算増」が交渉の目的となります。
このように、目的がハッキリすれば交渉決裂ラインもはっきりとしてきます。
なので、お金に重きを置くパターンの場合は、一般的な例になってしまいますが「予算40万円」が交渉決別ラインになります。
交渉決裂ラインというカードは死守する
交渉決裂というのは、トランプでいうジョーカーのようなものです。
最後の手段のようなものですね。(もちろん、相手も交渉決裂にさせたくない、という前提があってでの話ですが)
ただし、交渉ですぐに「交渉決裂」をちらつかせてはいけません。
というのも、交渉決裂をちらつかせて相手が「分かった。こちらはそれで一向にかまわない。」となってしまった場合…
こちらが「いや、そんなつもりじゃなかったんだ」などという風に言ってしまったら最後、相手は更に強気な譲歩交渉に出てくることでしょう。
なので、安易に交渉決裂のカードをちらつかせるのは得策ではありません。
交渉は相手の交渉決裂ラインを探り合うゲーム
つまり、交渉とはこの交渉決裂のカードがいつ切られるのか、探り合いながら行うゲームのようなものです。
そして、いざこのカードを使う時には不退転の覚悟が必要になります。
「もう、あとがない。」という時にだけ使って良いカードということになりますね。
弱者にも何かしらのパワーがある
例えば自分が何かやらかしてしまったとき、こちらに非があるので交渉は相手がとても有利になることは言うまでもないでしょう。
しかし、だからといって全て言いなりになる必要はないですし、理不尽な要求であれば跳ね返す必要があります。
このような時、「自分にはどんなパワーがあるか?」を見極めることが重要となります。
じゃあどうやって見極めるのか?それは、相手の立場に立って考えてみることです。
例えば、自分と相手がビジネスパートナーだった場合、あなたが相手に納品したものに重大な欠陥が見つかったとします。
その時、相手が理不尽な損害賠償を請求してきたとして、それに応える必要はありません。
相手の立場で考えてみると、相手の目的は「ちゃんとした納品物を速く納品してもらう」ことになります。
こちらが多大な損害賠償で倒産してしまったとしたらどうでしょう。
相手方は新たな取引先と部品についての打ち合わせをしなくてはいけないし、既に組み込まれている生産計画のリスケもしなくてはいけません。
これでは、相手からしても時間とコストと労力が掛かってしまい、得策ではありませんね。
この場合、あなたにとってのパワーは「相手にとって重要な取引先である」ということが挙げられます。
「こちらが迷惑を掛けてしまったので、その責任は取りたい。だが、その多大な賠償額では弊社は倒産を余儀なくされる。そうすると、そちらにも納品ができなくなり、これ以上の迷惑を掛けることになる。それだけは避けたい」という風に交渉できるのです。
※もちろん、これは色々なケースによって状況が変わってきますので、あくまでも一例ですが…
まとめ
いかがでしたでしょうか?
普段仕事では交渉をする機会がない私ですが、本書は交渉を日常的に行っているプロフェッショナルが書いてくれた原則です。
内容としては、非常に勉強になりました。
「ああ、こういう風に交渉ってするのね…」って感じです笑
本書の評価を見る限りでは、
- 基本的な交渉術が網羅されている
- この本を読んで基本に戻れた
- 交渉術において色々な発見ができた
などと、読者からの評価は結構良いようです。
今回の記事で紹介したのはほんの一部です。
ぶっちゃけ、1割にも満たないかもしれませんw
もし、この記事を読んで内容が気になった方は、是非読んでみて下さいね!
では、また。